伝説ルールではとにかく再現性を持って勝ち続けるのが難しいと感じていたが、 S1で使っていた電磁波+ステロを撒けるバンギラスのような、どのポケモンを相手にしてもほとんど同じ展開を作れる起点作成ポケモンがいれば再現性を取ることが可能であると考え、今回は特性の発動順でオーガ対面で安定し、ザシアンの巨獣斬+石化に対して行動保障を持てる襷枠としてランドロス、2-3を捲れ、ステルスロックと相性の良いザシアン+黒バドレックスを構築の軸とした。
・基本選出及び展開に関して
基本選出:初手ランドorエスバ+バドザシ
ランドロスは多くの場合2回動く事ができるが、ランドロスより早いダイジェット持ちの初手ダイマックス及び確定2発を取られるスカーフ持ち、ダイアイス、つららばりなど、襷を貫通する動きに対しては1回しか動く事ができないので、相手のPTを見てS操作かステロを撒くか選択する必要がある。
ステルスロックは襷やメタモン等でバドレックスが止められない為に撒く事が多いので、初手で出てこず相手PTに下記ポケモンが居るときはステルスロックを撒く事を優先する。
該当ポケモンが居ない場合は基本的にS操作技を選択して裏に繋ぐ事が多い。
エースバーンを選出するパターンは、初手ランドロスを出しての勝ちルートが見えない時やステルスロックを必要とせず、相手の出てきそうなポケモンに対して初手で不利を取らない確信がある場合に選出していた。
エースバーンを選出する場合は先行ダイマックスから逃げ切りで勝つ事になるので、エースバーンが1-1交換以上の仕事をする必要がある。
ランドロスはマンムーやダイジェット持ちに不利だが、エースバーンはそれらに対して有利に展開する事ができるので、初手の選択ミスで勝てなかった場合はもう片方を初手に置いて居れば勝てる試合も少なくない為見極めが必要である。
ランドが落ちた後にどちらから入るかは対面次第だが、ザシアンを2体目に投げて最後にバドレックスで詰め切る事が体感多かった。
・個体解説
ランドロス@気合の襷
167(20)-180(116)-125(116)-/-101(4)-157(+252)
地ならし/岩石封じ/自爆/ステルスロック
HB:威嚇込み244巨獣斬+石化耐え
A:余り
S:最速
基本初手に置き、S操作+ステルスロックを撒いて裏に繋ぐのが役割
ザシアンに対してS操作を行いながら裏の圏内まで削る事が可能な地ならしを採用したランドロスにランクマッチで遭遇し、感銘を受けたのでこのポケモンを軸として採用した。技もシンプルにS操作2種類+欠伸ループを抜ける等起点回避が可能な自爆+ステルスロックで完結している。
バドレックス@拘りスカーフ
175-/-100-238(+252)-121(4)-202(252)
アストラルビット/ワイドフォース/ドレインキッス/怪しい光
C:ステロ+1↑ダイホロウでオーガの臆病潮吹き耐え(197-152)ザシアンが確定
S:ダイマックス後に意地ザシアンが抜ける準速
HD:ダイマ状態でC特化カイオーガの雨珠ダイストリームが乱数13/16耐え
構築のエースでありダイマ枠
この構築だとメタモンを呼び込んでしまうが、
ステロ+電光石火+アストラルビットでザシアンコピーメタモンがぴったり落ちる事から、ザシアンをコピーさせてそれをバドレックスで倒しつつ裏と対面する展開で多くのメタモン入りに勝つことができた。(聡明な人であればメタモンを下げて同速勝負を仕掛けてくる事もあったが、ザシアン状態のまま突っ込んできてくれる事の方が多かった)
また、スカーフバドレックスミラーが何回か起こったが、Sを落としている個体が多く、ミラーでは一度も抜かれていなかったので高い勝率を確保することができた。
ビット以外の技は非常に悩んだが、雑多環境である為、ダイマックス+通常状態で一番火力の出るワイドフォースをエスパー技とし、最後の枠は補完に優れ、撒かれやすい麻痺や欠伸の耐性を持たせる事が可能なドレインキッスとした。
ワイドフォースはポリゴン2でバドレックスを止めに来る構築に対して、いななきを嫌って即HDポリ2に引いてくる動きに対しステロ+ダイサイコ+ダイサイコでポリ2が99%落ち、ダイマされてもダイサイコ+ワイドフォースで9割以上の確率で突破する事ができる。怪しい光は展開に失敗しザシアンに対して死に出ししなければならなくなった時に自傷+ダイホロウで落とせる技として採用しているが、基本的に打たない技なのでダイウォールの媒体となる技ならなんでも良い。
スカーフを持つメリットとして、対面のダイジェット勢に対してダイウォール→攻撃技→ダイウォールと選択する事でSを上げられても上から2回行動する事が可能となる他、ビット圏内まで削れている相手に対して死に出しした際は相手の裏を見てから技選択できるようにダイマックスターンを先に1ターン消化しておくのも裏が読めない場合は有効である。
ザシアン@朽ちた剣
187(156)-234(+180)-136(4)/-136(4)-189(164)
巨獣斬/じゃれつく/インファイト/電光石火
A:巨獣斬+石化でCSダイナが落ちる、ASザシアンを巨獣斬+石化で96%落ち
S:最速エースバーン抜き
H:余り
初手のダイマエースバーンに崩されるのを防ぐ+ここまで振ることで大抵のザシアンを抜けると考え、Sライン>Aライン>耐久の順で配分を決めた。実際、A特化巨獣斬+石化を耐えるか怪しかったり、ダイマックス抜群技を受けた時の乱数はかなり悪くなってしまうので、どこを削りどこを伸ばすか非常に環境とのチューニングが重要なポケモンであると考える度に感じている。
技構成に関しては巨獣斬、石化、インファイトまでは確定として、じゃれつくとワイルドボルトは選択で、じゃれつくは非選出率が高く採用率の高かったサンダーへの打点となり、ワイルドボルトは採用率が少ないものの基本選出で重くなるホウオウへの打点となり全技が命中安定となるのがメリットがある。
今回は対戦数を重ねたときにサンダーへの打点を持っている方が有用であると考え、じゃれつくを採用した。
エースバーン@命の珠
155-184(+252)-96(4)-/-95-171(252)
火炎ボール/飛び跳ねる/ギガインパクト/不意打ち
ランドロスが苦手とする初手のダイジェット勢に抗えるギガインパクトを採用したダイマ枠。珠サンダー、珠ゲロゲに対して対面であれば勝て、珠イベルに対しては勝つか最悪相打ちを取ることが可能であり、相手のダイマックスに強いダイマックスとして環境に刺さっていた。
ウーラオス@拘り鉢巻き
175-182(252)-121(4)-/-80-163(+252)
検討枠1
選出時点でラッキー、ハピナス+ヌオーの同時選出を牽制でき、ザシアンにワイルドボルトを採用していない弊害であるホウオウへの抵抗として岩技を持ったウーラオスを採用した。ホウオウと組んでいる伝説次第ではウーラオスが通らない事もあるので、あくまでも選択肢の一つ程度。
サンダー@アッキの実
197(252)-/-150(+252)-145-111(4)-120
10万/暴風/電磁波/羽休め
HB:アッキ込み234+2巨獣斬を余裕を持って2耐え(目安)
検討枠2
基本選出で崩しにくい並びとして、ガオガエン+ザシアンが課題となった為、それの回答としてアッキサンダーを採用した。環境にいるザシアンの多くがSラインが低め=剣の舞を採用していないと考えられる為、このポケモンの環境に対する刺さりは非常に良かったと考えている。選出機会は少なかったが出した試合は想定通りの活躍をしてくれた。技構成に関しては放電+身代わりでも問題ない。
・最後に
選出時点で型を絞りにくいランドロス始動にしたおかげで起点構築の弱点である始動要因を潰す動きを取られにくかった事が勝因であったと思いました。
新ルールという事でかなり久々にポケモンしましたが、私自身剣盾で潜るラストシーズンになる可能性が高いと思い、8世代で取れていなかった最終1位を目標にしていましたが、最後のマッチングに恵まれず2位で時間切れとなってしまいました;ー;
目標は達成できませんでしたが、9世代も発表されたので、次の世代が出たらまたガッツリポケモンしていきたいと思います。
・じならしランドロス考案のお二方